11月5日(土)、北海道札幌市・北ガスアリーナ札幌46で「第1回全国特別支援学校フットサル大会」が開催されました。(→大会関連記事)
今回は、本大会を主催する一般財団法人日本ライオンズ(以下、「(一財)日本ライオンズ」)の小野寺眞悟 副理事長に大会開催に至った経緯や想いをお伺いしました。
-特別支援学校を対象としたフットサル大会を開催することになった経緯を教えてください。
(一財)日本ライオンズでは、スポーツを通じて肉体的かつ精神的な強さを身につけることで就労支援につなげたいとの想いから、この大会の開催を実現しました。
特別支援学校には、知的障がいや身体障がいがある子どもたちが通っています。現在、全国に1,160校、在籍者は約146,000人。そのうち9割が知的障がいの子どもたちで、高等部を卒業します。ここに通う子どもたちは、運動に対する理解が困難であったり、意欲が持てなかったりすることから運動能力が育ちにくい傾向にあり、職業においても健常者と比べて体力が低く、働くことができる時間は、4時間から5時間程です。スポーツを通じて体力をつけて、8時間くらい働けるようになると卒業後に自立できると思っています。
フットサル大会になった理由としては、フットサルはひとつのボールと5人が集まれば試合ができ、天候に左右されることもなく開催できること、気軽に楽しめることなどが挙げられます。北海道・札幌市をはじめ、大会に支援してくださった皆様、公益財団法人小野寺パラスポーツ振興会、特別支援学校学校長会のご協力があって、この北海道で第1回全国特別支援学校フットサル大会を開催する運びとなりました。
-本大会の活動、また、その他の取り組みについて教えてください。
(一財)日本ライオンズとしては、特別支援学校を対象とした全国規模の大会は初めてのことですが、来年度以降も継続して開催していきます。出場チーム数も増えて、就労支援に貢献できればと思っています。
まだ初めたばかりですが、児童養護施設での寺子屋事業も国内3か所を対象にやっています。児童養護施設には、子供たちが約3万人います。そのうち2万人(約7割)の子供たちは児童虐待の経験者といわれています。そういった子どもたちに基礎学力をつけようと同じ課題に取り組むNPO法人に協力を仰ぎ、事業推進を(一財)日本ライオンズが担当し、現場をNPO法人が担当し支援しています。
得意、不得意があるのはみんな同じです。一社会人として働けるような環境づくりをしていきたいですね。
-こういった活動に対する想いを教えてください。
この大会は(一財)日本ライオンズ会員の方々の寄付で開催していますが、まずは活動を理解してもらうことが大切です。ただ、それには時間が必要なので、この大会を継続していくなかで理解が深まっていただけたらありがたいですし、証明していかなければならないと思っています。
また、7月~9月に本大会への出場を懸けた地域予選が開催され、体力づくりだけでなく思わぬ成果もありました。何らかの影響によって学校にいけない生徒たちがフットサルをするようになって学校に行くようになる、言葉遣いが綺麗になった、こういったことが先生たちから聞けて本当に嬉しかったです。
出場している選手(生徒)、監督(先生)には、ぜひお話を聞いてみてください。
インタビュアー/(一財)日本フットサル連盟 理事・ダイバーシティ担当 寺田美穂子
取材/(一財)日本フットサル連盟 今井千秋