8月2日(水)、高く澄み渡る青空が広がる名古屋市において、第2回全国特別支援学校フットサル大会の東海地区大会が開催されました。(大会結果はこちら)
昨年11月に同大会の全国大会を北海道で拝見しましたが、全国大会出場校の競技レベルの高さ、個々の意識、チームワークの良さが印象に残っています。どのチームも真剣勝負を伸び伸びと楽しんでいて、試合を終えれば10代らしい明るさで交流しあう一方で、私たち大人に対しては堂々として丁寧な立ち振る舞いで対応してくれて、見ているこちらが清々しい気持ちになったことが思い出されます。
今回の東海地区大会では、プレー写真の撮影もさせていただきました。 そこに写る生徒達の姿は、みな真剣で一生懸命。必死にボールを追う姿は日本フットサルリーグ(Fリーグ)の選手にも引けを取らないカッコよさがありました。
各チームのキャプテンに、「どんな瞬間に、フットボールの楽しさを感じますか?」と問いかけました。どのチームも「味方がゴールを決めた瞬間」「味方同士にいい連携プレーが生まれた瞬間」「みんなでコミュニケーションを取っているとき」と答えてくれて、サッカーやフットサルが自分の居場所になっていること、それを大切にしている様子が感じられました。
スポーツが与えてくれる価値の99%は、結果に至るまでの経過のなかにあると感じます。 経過を存分に楽しめている彼らは、何かに恐れることなく、自分らしさを失うことなく、自然体でありながらも自信を持っていて、ますます伸びていく成長のパワーを感じました。
そしてもうひとつ印象的だったのが、ベンチの先生方の嬉しそうな笑顔です。生徒のプレーを温かく見守り、「いいぞ!」と背中を押す姿が多く見られました。その子の力を信じ、個性が輝いていく過程を喜びもって支援されていると感じました。
ひとりひとりの個をみつめ、輝かせる。 型に押さえ込むのではなく、伸びていく力を信じて個に合わせた方法で一歩一歩、次の段階へ導いていく。私たちは、障がいや特性を持つ子を支援する特別支援学校のスポーツ指導から学ぶことが多くあると思います。
いまダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンが求められていますが、これらは学びだけで深まるものではありません。多様な立場の人が、ともに活動をすることで育まれていくものです。
スポーツの世界も、障がいや特性にかかわらず、スポーツの機会と場所を共にすることを当たり前にしていくことが必要です。
「分ける」から「つなげる・重ねる」へ。日本フットサル連盟として、それらを主導していきたいと思います。
愛知県立名古屋聾学校の生徒の皆さん、全国大会出場おめでとうございます! 二連覇を目指して頑張ってください!
寄稿/日本フットサル連盟 ダイバーシティ担当 寺田 美穂子