5月26日(金)ダイバーシティの活動の一環として「広島の皆さん教えて!どんな未来がええかな?」と題したフットサルの未来やハッピーについて考えるミーティングをオンラインで開催しました。
今回このミーティングに広島県の皆さんが集まってくださったのは、以前から日本フットサル連盟/ダイバーシティ担当の寺田理事が一般社団法人広島県インクルーシブフットボール連盟(以下、HIFF)理事の松本由香さんと交流があったことがきっかけです。
HIFFは、広島県における障がい者サッカーの統括団体であり、障がいの有無に関わらず誰もが・共にスポーツの価値を享受する共生社会の創造を目指しています。令和4年度には全国で5団体のみが選ばれる『障がい者の生涯学習支援活動に係る文部科学大臣表彰』を受賞され、フットボールでの先進的な取り組みが評価されています。松本さん自身もアフィーレ広島(アンプティ・ブラインド・電動車いす・フレーム・ソーシャル・ウォーキングの6チーム)でウォーキングフットボールの普及活動を行っており、インクルーシブな環境を創り続けてきた松本さんに依頼することで多様性あるメンバーの招集が今回実現しました。
進行を務めた寺田美穂子理事は「ダイバーシティ推進はコンプライアンス委員会のなかに位置していますが、組織がコンプライアンスを確保することや多様性を持つことについても“社会的に必要だから”という理由だけでなく、それがあることで皆のハッピーが持続可能になるよう創り上げていくものという視点を大事にしたいと私は思っています。そこで活きてくるのが多様性です。ダイバーシティを推進するにあたり、まずは知ることから始めようと考えました。人は、自分が見聞き・経験していないことや、関わっていないことには意識が向きづらいものです。多様性のある方々との対話や学びのなかから、当事者にしかわからない課題を教えていただくこと、課題を自分事にする仲間が増えること、共に良くする取り組みをすること、そしてまわりもそのことに着目していくこと。こうしたポジティブなアクションや繋がりも小さなダイバーシティですし、フットサルに関わる人がハッピーになるDE&I(多様で公平で共存する社会)の達成を目指し、ファーストアクションとしてこの対話の場を設けることにしました。」と開催に至った経緯を話します。
ミーティング冒頭、寺田理事は本連盟のキャッチコピーである【ひとつのボールで~One Ball for All~】を掲げ、フットサルに関わる全てのステークホルダーがハッピーになる社会を目指していることをお話ししました。また、事務局より日本フットサル連盟が独立し、日本フットサルトップリーグとの在り方についても改めて説明する時間をいただきました。
後半は、事前におこなっていたアンケートのテーマをもとにディスカッションをしました。
参加した皆さんからは「同じフットサルをしている仲間でも目的が個々で違うことを理解してチームをマネジメントしていけばよかった」「30歳を過ぎると環境が変わり、仲間や体力も減っていく」「競技思考ではないエンジョイ層向けの動画があると嬉しい」「現役でサッカーをしていたけど今いろいろな世代から刺激を受けている」「片麻痺があるがウォーキングフットボールと出会って感動した」「フットサルもいろんなひとに知ってもらうことが第一歩だと思う」「人それぞれの楽しいを共有できている」「子供の応援だけだったのが今では自分が選手なので青春!を感じています」「今、自分史上一番うまい」など、様々な目線でお話しを共有いただき、意見交換をすることができました。
最後に、これまでサッカー選手として活動していた20代の安藤拓海さんが寺田理事から「フットサルの未来は明るいと思いますか?」と問われると「明るいです!」と回答。その一言でその場もハッピーに包まれ、寺田理事は「若年層からこの言葉を聞けて安心しました!」と笑顔でミーティングは終了しました。予定していた90分をあっという間に越え、非常に有意義な時間となりました。
コメント
ダイバーシティ担当 寺田美穂子理事
広島には、ハッピーとエンジョイが溢れていました。それは「誰もが・共に」の種を何年も前からまいて育ててきたからこその「今」があります。お話をしていて印象深いのは、スポーツの価値をみなさんがしっかりと享受されていること、そして周囲に広げていこうとするポジティブさが満ち溢れていることです。スポーツの感動を日常的に得ているように感じました。勝利は何者にも代えがたい感動や興奮をもたらすことは間違いありませんが、そこだけにスポーツの価値を定めてしまうと限定された人しか得ることができないものになってしまいます。広島の皆さんのお話のなかには常に「楽しむ」が溢れており、スポーツの大部分を占める「挑戦や成長は楽しさあってこそ!」という言葉からも、スポーツが持続的な幸福に寄与している姿が伺えます。
もちろん課題も数多くありました。フットサルをする人が増えていかない。認知度や情報発信。自分にあった環境が見つけにくい。フットサルの少子高齢化、競技人口の先細りの未来。どの課題も紐づいて繋がっているもので、アンハッピーはひとつずつ減らしていかなくてはいけません。
しかしポジティブは、人を引き寄せます。
「自分がやっているのがサッカーなのかフットサルなのかもわからないし、どっちにゴールするか聞いてから始めるような感じ。でも楽しい!いま青春なんです!」
「現役のときはひとつの試合に賭ける面白さがあった。今はいろんな世代の中で刺激を受けている。 今が一番、自分史上うまいと思っている。こうした経験を発信していきたい。」
「障がいがあるのに周りの人はそんなことは気にせず一緒にプレーをしてくれて感動した!それを周囲に伝えたら興味を持って来てくれた!」
エンジョイ層がスポーツの社会的な意義を感じています。エンジョイ層の拡大は競技が持続していく土台です。ひとつのボールのチカラを知る多くの人と共に進めば未来は明るいと思いました。
松本由香さん
初めての試みに広島を選んで頂きありがとうございます。フットサルという道具を使いどんな未来とハッピーが作れるのかは無限にあると思いました。今回お集まりいただいた皆様は全く背景が違うからこそフットサルを多方面から見てみることができたのではないかと思います。前向きにお互いを受け入れ合えた時間は、全ての人々に当たり前の選択肢があることだと改めて思いました。未来の誰かのきっかけになれる土台作りはワクワクが詰まっています。改めまして貴重なお時間を頂きましたこと全ての皆様に感謝申し上げます。
村上哲哉さん
この度ミーティングに参加させていただき、たくさんの刺激をいただけた事に感謝致します。
選手、監督と15年の間、日本フットサルトップリーグ(以下、Fリーグ)に関わらせていただきましたが、フットサルの在り方について一般の方々の意見を聞く機会は少なかったので、貴重な時間になりました。自分にできる事は微力ではありますが、競技フットサルトップの位置付けであるFリーグを盛り上げていきたいですし、子どもたちにフットサルの魅力を伝え、一人でも多くの子どもたちが憧れる、夢を持てるフットサル界に貢献していけたらと思います。参加された皆様とのご縁に感謝し、一緒に盛り上げていきましょう。
安藤拓海さん
この度は貴重な体験をさせて頂き感謝申しげます。今回のミーティングでは「楽しい」というワードが特に飛び交っていたように思います。「楽しさ」とは個人によって異なるのもだと思いますが、求めていることは皆共通していると改めて実感しました。私にはフットサルを広める為、また楽しさを知ってもらう為にスクールやイベントに参加している友達がいます。彼らの様に試行錯誤しながら、楽しんでもらう為には何が必要なのかを、一緒に考えていけるような同士を増やせていけるよう努力したいと思います。
最後にもう一度 ″未来はきっと明るい″
日本フットサル連盟 今井千秋